IEEE刊行の The Cognitive Nexus Magazine Volume 2 Issue 2に、

Deterministic Boundaries for Non-Deterministic Agents: A Control Plane Architecture for Enterprise AI

という論文があり、非決定的な振る舞いをどう決定的にするか、という観点で "AI Control Plane" のリファレンスアーキテクチャが示されていた。

以前の記事 に「現実世界との境界で定理証明支援系ツールなどの活用」について触れたが、 この論文でもRuntime Verificationレイヤーで形式手法や時相論理などの活用を説いており、発想として大きく間違っていたものではなさそうだ、ということが確認できた。

ただ、この論文での「AI Control Plane」は、AIエージェント自体のアーキテクチャにおけるControl Planeであり、昨今AI Sprawlの対策としてか語られているAI Control Planeや、[2505.06817] Control Plane as a Tool: A Scalable Design Pattern for Agentic AI Systems のControl Planeとは違うことに注意。

AI Sprawl対策を発端として語られるAI Control Planeは、AI Sprawl対策以外にも以下のように幅広い領域をカバーする、包括的な "統制" アーキテクチャのこと(だと自分は認識している)。

「Control Plane as a Tool: A Scalable Design Pattern for Agentic AI Systems」で語られるControl Planeは、上記AI Control Planeの実現方法の一つである、API gatewayに対するデザインパターンの提案と言える。

個人的な興味が強いのは「統制アーキテクチャとしてのAI Control Plane」の方かな。今やっている仕事にも関わりが強いし。

AI Sprawlの課題感から、今、このようなシステムアーキテクチャの話として出てきたんだろうけど、エージェントは別に「AI」じゃなくても成り立つのではないかとも思う。

例えば、企業とか、ね。

って考えると、経営やマネージメントっていうのはまさにControl Planeなのかもしれない。それをまともにシステムとして設計できている企業は少ないんじゃないか、と思うんだけれど。

「統制アーキテクチャとしてのAI Control Plane」が企業の「OS」として取り込まれた時、その企業体やその経営陣、従業員にどのような影響を与え、どうビジネスモデルやメンタルモデルを変容させるのだろうか...