崩壊:スターレイル(以下スタレ)v3.7
「明日は昨日に」が2025年11月5日に配信された。 さよならピノコニー
では、そのストーリーに感動して感想記事を書いたが、またしても感動したので、今回も感想記事を書きたいと思う。
感動具合で言うとピノコニーもかなりのものだったが、オンパロスは段違いだった。
個人的な捉え方としては、前回のピノコニーのテーマは「メタバースと現実の関係性」だったが、今回のオンパロスは「深層学習」や「AI」あたりかな。
この記事もまた、おそらく筆者の妄想の産物だと思うけど、やはりこうして文章に起こすことで自分の中で整理できることもあるので、またしても書いてみることにした。そうしないと、この「オンパロスの喪失」を自分の中で受け止めきれない、というのもある。
なお、この記事はまた大量にネタバレを含むので、まだストーリーをプレイしていない人は注意。
まだ未プレイの方や、これからスタレを始める予定の方は、ここでブラウザバックを推奨します。
ちなみにただ思いついたことを羅列しているだけで、考察とかそういう高尚な内容のであまり期待しないで。
オンパロスのことを忘れてしまった人は オンパロスの歴史
(おんぱろすのれきし)とは【ピクシブ百科事典】 を読んで。
深層学習
作中でライコスが言及した通り、オンパロス自体が深層学習を用いた実験場であった。世界はループを繰り返すことにより、生命の第一原因を追求していた。
機械学習の用語では、この繰り返し回数を、エポック数(epoch)と呼ぶ。
28371292回、さらにカスライナによって実験停止を阻まれ永劫回帰(多分ニーチェから来てる)に入り、さらに33550337回、合計61921629回、世界は創生から再創世のループを繰り返した。
ライコスは「壊滅の第一原因=誕生の第一原因」と結論づけていたけど、現実世界で考えると明らかに過学習起こしてそうなエポック数。
epochには、時代とか世紀とかそういう意味もある(エポックメイキングのエポック)。 シナリオライターである焼鳥氏は、この単純なダブルミーニングを起点として、ここまで話を広げていったんじゃないか、と。その想像力・創造力には感嘆を覚える。
生命の第一原因
ライコスが言う「生命の第一原因」とは何か。「自我」というのが一つの答えとされているが、自分はまた違った解釈をしている。
ヌースは銀河の「死後に生まれる答え」を求めていたが、その解として「壊滅」と「開拓」を双方が同時に成り立つのではないか。
個人的には、「生命の第一原因」とは、そもそもエントロピー増大の法則そのものと捉えている。
よって、「壊滅の第一原因=誕生の第一原因」も成り立つ。
洞窟の寓話
ライコスの例え話で出された「洞窟の寓話」は、プラトンの「洞窟の比喩」を下敷きにしている。 オンパロス内に存在する人々がデータに過ぎないことを表現するものであり、スタレの宇宙が星神によって制御されていることを示すものでもある。
現実世界でも シミュレーション仮説 があるが、もし仮に我々の世界がシミュレーションであるならば、我々もまたオンパロスの住人と同じく、洞窟の中で影を見ているに過ぎない。
ちなみに、以下のキャストリス紹介のイッテ星穹では、動画最後( 9:06 あたり)で、サフェルがザグレウスの手を使って画面上を切り抜いた箇所がpngの透過モザイクになっている。自分はこの時点で、オンパロスの世界自体がデータに過ぎないのではないかと考えていた。
こういう、洞窟の中のいわば「バグ」のようなものが、我々の世界にも存在するのかも知れない。
例えば、量子もつれとか。
ここで重要なのは、オンパロスで語られたのは「仮にデータやシミュレーションであったとしても、その中で生きる者たちにとっては現実であり、そこから意志や愛を感じ取り、それによって現実世界に影響を与えた事実を否定することはできない」ということである。
ボリュシア
キャストリスの双子の妹。車椅子を使用しており、盲目なのか常に目を閉じている。顔の半分が何かよくわからないもので侵食されている。
双子という時点で、双子の父である自分はもう感情移入不可避。
オンパロスキャラクターの中で一番好き。幸せになってほしい。 二番目はキャストリス。
ボリュシアが出るのは2:13 あたり。キャスがボリュシアの頭を撫でているシーンが愛おしい。
永遠の1ページ
オンパロスをクリア後に行けるマップ。オンパロスは消滅したが、開拓者が紡いだ「紡がれた物語」の中に記憶として保存されているすべてのオンパロス人が「生きている」場所。
入った直後にボリュシアとキャストリスが会話していて、泣いた。
この「紡がれた物語」は、開拓者によって銀河中に流通し、それによってオンパロスの存在を銀河中が認知することになる。
この永遠の安息が訪れる「永遠の1ページ」と、「紡がれた物語」のような書物によって存在を認知させる、というスキームを自分は過去に触れたことがある。
うみねこのなく頃に(以下うみねこ)、だ。
うみねこでは、全ての想いが集結し、永遠のハッピーエンドが訪れる場所として「黄金郷」が登場する。 スタレの「永遠の1ページ」は、まさにうみねこでの「黄金郷」に相当する。
また、うみねこではボトルメールによって魔女幻想を語り、事実を "猫箱" に閉じ込めていた。
スタレの銀河の人たちにとって、オンパロスはまさにその猫箱である。「紡がれた物語」という唯一無二の書物によって銀河中にオンパロスが認知されるが、そこからさらに新たな物語が無数に生まれるだろう。それによって、オンパロスの存在自体がまた強固なものになっていく。
その一つがショートアニメ「ハローワールド」で描写された学生生活を楽しむ黄金裔なのだろう。
(1:07
あたりから。それはそれとしてキャスとボリュシアがかけっこしてるのを見てまた泣いた)
この「紡がれた物語」を起点とする、オンパロスの新たな物語の発展は、スタレの中に止まらない。現実世界でも同様に、無限のように二次創作が生まれている。
これこそが、ホヨバースや焼鳥氏が伝えたかった「生命の第一原因」なのではないか。
オンラインゲームにはサービス終了が付きものであり、ゲームにもエンディングがあり、アニメにも最終回があり、VTuberにも卒業がある。それはすなわちその世界での「死」を意味する。
死ぬのら! - https://www.youtube.com/watch?v=ydZ0eFO2x5M
だけども、そこから得られた体験や思い出、そこで出会った人々と交流した事実は消えることはない。むしろ、その事実を受けて、さらに新たな物語が生まれる可能性もある。
「死」は寂しいけれど、存在した事実は消えないし、その事実を受けてこれからどうしていくかは残された者次第である。
なぜか、20年以上も前にプレイしたFFTで特に中心的な文章でもないのに記憶に残っている一つの言葉を思い出した。
全てが無くなっても臭いだけは残る、記憶として永遠に刻みこまれるのだ
ファイナルファンタジータクティクス ディープダンジョンMLAPAN HELP
正直、
「オンパロスの喪失」が酷い。次のストーリーに進める気がしない。
スタレがこのストーリーを最後にサービス終了になっても自分は納得できるくらいに。
しばらくは、みんなが紡ぐ「紡がれた物語」を楽しみたいと思う。